自分の生活の中で「結ぶ」という行為について、少し考えてみました。

「着物を着るときに帯を結ぶ」、「履物の鼻緒を結ぶ」、「髪を結う」、「ご縁を結ぶ」、魔除けとして「結界を結ぶ」...

また「結び目」なんて言葉もあり、紐や糸を結び合わせたりしますよね。

自分もネクタイや蝶結びが、なかなか覚えられない不器用な人間でしたね(笑)!

なぜ、日本人はシャツやズボンや靴など合理的な着物、履物を作らなかったのでしょうか?

古い時代から日本人は、着物、履物、髪など、身体の全体を使って「結ぶ」という状態を作り上げて生活をしていたような気がします。

その「結ぶ」という行為に大切な意味があるのかもしれませんね。

そんな訳で、少し調べてみましたよ。

結果、いろいろと興味深いことがわかりました。

まず、その結び方や結ぶ位置にもいろんな意味があるようですが、日本では「結び」を大切な儀式や文化として、その伝統を守っていたようです。

例えば、戦国時代の武将は鎧を一人では着れません。

必ず自分の家臣に鎧の多くの部分を結んでもらいます。

そうしたことで「自分ひとりの命ではない」ということを、その「結ぶ」行為の中で感じていたようです。

他にも、婚礼や成人式などの祭りごとでは、人に着物を着せる「着付け」という行為があります。

これも、自分ひとりで着る訳でなく、最後に他人が自分の帯を「結ぶ」ことで完結します。

人と人との「結び」つきを大切にする行為だと思いました。

とにかく、身体の上に「結ぶ」という状態を作ること自体がとても縁起が良いことらしいですね。

さて、余談が長くなりましたが、本日のライブは、一人ひとりの気持ちが「結び」合う素晴らしいライブでしたよ!

場所は、南青山MANDALAです。

連休明けの平日でしたが、仕事を定時で無理やり上がり、行ってきましたよ!

川久保-20161011-00

仕事を定時で無理やり上がり、行ってきましたよ!

今回のライブは、川久保秀一さんが主催のライブですが、タイトルの「歌結び、故郷結び」とあるように各地方(新潟、福島、大阪)で活躍されているアーティストさんを川久保さんがこの東京に呼んで開かれたライブです。

今回は、新潟から落合みつをさん、福島からハヤミイワオさん、大阪から門松良祐さんが参加されました。

そして、それぞれ震災の被害を乗り越えて来たアーティスト達です。

正直、どのアーティストさんも生歌を聴くのが初めてでしたので、期待していましたよ!

まずは、オープニングで川久保さんが2曲「わかっちゃいないんだ」と「ただここにいるだけで」で始まりましたよ。

久しぶりに聴く生歌はいいですね。

ライブに勢いがつくナイスな選曲です。

そして、トップは福島県出身のアーティスト「ハヤミイワオ」さんです。

基本的にはアコースティックギターの弾き語りが中心で、地元の福島県いわき市を中心として全国各地を回られています。

震災後は、地元のいわき市にある防波堤が6.4メートルに改装されて、目に見える風景が大きく変わってしまったそうです。

今回は、「Voice」、「バースデイ」、「Days」、「夏の日の思い出」の4曲を熱唱してくれました。

何か凄く癒される楽曲です。

いわきの観光名所などが楽曲の随所にちりばめてあり、地元愛を感じさせます。

ハヤミイワオさんの個性が大きく影響していると思いますが、ハヤミイワオの「魂」がそのまま楽曲に乗っかている感じがしました。

こんなにも素晴らしいミュージシャンが福島にいたんですね。

ふと、思ったのですが、この「ハヤミイワオ」というアーティストは、メロディや歌詞を「魂」ごと聴かせる技術を生まれながら持っているような気がします。

何故なら、ライブで聴いた楽曲の全てが「ハヤミイワオ」の「魂」で綴られている気がしたからです。

正に「福島を愛するライブの申し子」といえるようなアーティストです。

続いては、大阪府出身のアーティスト「門松良祐」さんです。

彼は、阪神淡路大震災の時は中学1年だったそうですね。

何もできずに部屋でただ呆然としていたそうです。

当時は、そうとうな恐怖を感じたようでした。

また、事前に情報を集めていたら、趣味は神社巡りとジョギングという情報もあり、なんだか趣味が合いそうな気がしましたね。

門松さんは、もともとはアコースティックデュオ「ひまり」として活動されていたそうです。

この「ひまり」ついては、もともとストリートミュージシャンとして主に大阪府大阪市天王寺の歩道橋で路上ライブをメインに活動し、2007年にメジャーデビューしました。

そして、今年(2016年)の3月に解散したようです。

自分としては、事前にチェックした動画で「ひまり」のもつ、メッセージ性、音楽性はとても良い感じがしたので、少し残念な気がしますね。

ただ、ソロとしても、より良い音楽を提供してくれると感じました。

今回は、「想い出にかわるまで」、「京上ル下ル」、「はんぶんこ」、「尊命(とうめい)」を歌ってくれましたよ。

感想は、とにかく、明るい!

そして、どの楽曲も元気をくれるメロディと歌詞が印象的でした。

凄く、若々しい少年のようなイメージでしたが「一児のパパ」だと言ってました。

驚きでしたよ。

でも、明るく元気で素敵なパパだと思います。

最後は、新潟出身のアーティスト「落合みつを」さんです。

事前にプロフィール見て興味深く思ったのは「影響を受けたアーティスト」に岡本太郎、谷崎潤一郎、坂口安吾とありました。

いづれも、ミュージシャンではなく、芸術家や小説家として昭和の戦前、戦後を生き抜いて活躍されたアーティストです。

「落合みつを」というアーティストの世界観に、どんな影響を与えたか気になりましたね。

今回は、「キャベツ」、「チンチン電車(川久保さんとデュエット)」、「島原にて」、「最後の冬」、「手紙」を激唱してくれましたよ!

歌い方やその雰囲気がポルノグラフティの岡野昭仁(ボーカル)さんと共通するようなイメージを感じましたね。

とてもパワフルな歌い方で凄く笑顔が爽やかでしたよ!

全国をバイクで飛び回るように活動されているそうです。

驚いたのは、バイクで活動するために「Yairi Guitar」を特注で分解できるように作って貰ったそうです。

おそらく、世界で一本しかない「Yairi Guitar」ですよね。

今回、ライブで初めて「落合みつを」の世界観に触れたのですが、その世界はまさしく「純文学」であり「音楽界の無頼派」と言える気がします。

本来「無頼」の言葉の意味は「正業に就かず、無法な行いをすること」を意味しますが、日本文学で「無頼派」とは、坂口安吾を含む終戦直後の若者達に人気を博した一群の作家達をさします。

彼らは、共通の活動基盤を持っていません。

独立した彼らの世界観を持って、常に日本の現実から目を離さず、厳しい目で既成概念や道徳、イデオロギーを批判してきました。

その上で人間の原点である生命力や生き方を模索し、その作品の中で表現する精神を培ってきた作家達です。

アーティスト「落合みつを」とは、まさしく「音楽界の無頼派」と呼べる人ではないでしょうか。

それも「爽やかさを持つ新時代の無頼派」と呼べる気がします。

とても魅力あるアーティストです。

最後は、東京のアーティスト「川久保秀一」さんが「M-78」、「ひとつずつ」を歌い、アーティスト全員で「君は生きている」とアンコールに「そして」を川久保さんがピアノ伴奏だけで歌ってくれましたよ。

川久保秀一主催による「音楽サミット」のような感じがしましたね。

自分が知らない素晴らしいアーティストの出逢いに感動を感じたライブでもあり、ともて有意義な時間をタップリと過ごせた気がします。

 

ライブが終わり、一人ひとりお話しさせてもらいましたが、みなさん共通して「爽やかで凄く優しい」感じがしました。

ソウルメイトという言葉があります。

それは、「魂の友」という意味で、肉体を超えた魂のつながりを持つ人同士のことを指すそうですが、今日は、歌からご縁を「結び」、そしてその「魂」までも結ばせてもらった気分になりましたよ!

どのアーティストも地元を大切にして、その地元から各地に音楽で結ぶメッセージを贈りつづけている感じが伝わりました。

今回のライブは彼ら4人がいて、初めて成立できたライブではないでしょうかね。

すべての気持ちは、今日ここで、結ばれた気がします。

新潟、福島、大阪、東京、そして全国へ!

これからも音楽で「結び」の世界を届けてください。

ありがとう、素晴らしいアーティスト達!

川久保-20161011-01

今回のライブは彼ら4人がいて、初めて成立できたライブ