花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき

これは、女流作家の林芙美子さんが生前に好んで色紙に書いた短詩です。

林芙美子さんは、2012年(11月10日)に他界された女優 森光子さんの舞台で評判となった『放浪記』の原作者でもあります。

その他にも『晩菊』や『浮雲』といった名作も残していますね。

さて、この「花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき」は、花を女性に比喩した表現とされています。

林芙美子さんは、作家として売れない時代は原稿の売り込みに苦労し、人気作家になってからも執筆依頼は決して断らない精力的な文筆活動を続けながら、文学に全てを捧げるように47歳という若さで急逝されました。

しかし、現代では「花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき」から「花の命は結構長い♪」というフレーズへと変わり、テレビのコマーシャルから、そんな時代の変化を知るようになりました。

これは、女性向け保険のコマーシャルで「大地真央」→「長谷川京子」→「綾瀬はるか」という流れで引き継がれてきた人気のCMソングですが、女性の活躍と共に世間の意識も変わってきましたよね。

そんな現在に生きている自分は、季節を問わず一年中、咲き続ける「永遠の明るい向日葵」が存在することを知りました。

そうです!
今回は、このブログの「Good Musicを聴きながら♪」シリーズで核となるようなアーティスト!
井上昌己さんのライブに行ってきましたよ!

2016年最後のマンスリーライブということで、予約開始と同時にWEBで申込をしました。

当然、すぐに「SOLD OUT」状態になりましたね。

今年、井上昌己さんは、奇しくも林芙美子さんが急逝された歳と同じ年齢を迎えることになりました。

女性として、人間として、ますます魅力を感じます(おせいじ抜きに)。

その彼女の楽曲には、新しい時代を生きる女性の輝きが表現されているように感じますね。

例えば、昌己さんの楽曲に「ROWING」という楽曲があり、その歌詞には、こんな力強いフレーズがあります。

思い出したくない 修羅場も別れも
穏やかな日々と小さな冒険 人生は続いて行く
家の中にとじこもってばかりいないで 
雲をめがけ 届け つのる思い
遠く遠く目指し 決してあきらめちゃいない 進むよ

もし、林芙美子さんが生きていたなら、聴いてもらいたい楽曲でした。

彼女なら、どう感じるだろうか...

前置きが長くなりましたね(笑)!

さて、今回の会場は高田馬場にあるライブハウス『音楽室 DX』。

昌己ファンの聖地といってもいいでしょうね。

音楽室DX-20161127

昌己ファンの聖地

自分は、前回6月のライブにお邪魔しました。

とても、良い感じのライブでしたので今回も期待していましたよ!

このマンスリーライブの構成ですが、チケットをオフィシャルサイトで申込む際に、想い出の曲やリクエスト曲もオプションで申し込むことができます。

よって、ファンのリクエストに応える形でこのライブのセットリストが構成されています。

ファンの想いや気持ちを大切にするライブだと思いました。自分も3曲をリクエストしてみました。

ライブのメンバー構成は、井上昌己(vo&kb)さん、江口正祥(gt)さん、那須野綾(per&cho)さんの3人構成です。

このライブを構成する最も頼りになるメンバーだと感じました。

実際に江口さんのギターと那須野さんのコーラス&パーカッションは、昌己さんの歌をとても良い感じに盛り上げてくれましたよ。

また、全曲をキーボードの弾き語りで歌い上げてくれた昌己さんにもアーティストとして、プロフェッショナルな高いスキル(技術)を感じましたね。

ライブの前半は、AORに近いバラード系の楽曲と後半は、ポップで明るいアップテンポ系の楽曲の構成となっていました。

とても、バランスのとれた良いライブでしたよ。

個人的には、『千年情緒』、『キッチンで泣いた』、『Merry X’masをあげたい』、『ただ若すぎた季節のメロディー』、『B-blood』が良かったですね。

面白かったのは、昭和歌謡のカバー曲で松本伊代さんの『センチメンタル・ジャーニー』を歌ってくれたのですが、見事にアイドル風にリストア(復元)して歌い上げてくれました。

しかし、昭和歌謡のカバーは流行なのでしょうか?

今年は、いろんなアーティストのライブに行きましたが、昭和歌謡のカバーを聴く機会がホントに多いですね。

奇遇ですが、以前に別のライブで「井手麻理子」さんがこの『センチメンタル・ジャーニー』を歌っていましたよ。

その際は、共演者の川久保秀一さんや黒沢秀樹さんに冷やかされて、サビの「伊代まだ、16だから~♪」を実年齢で歌わないとダメだと言われて、その部分を「麻理子はまだ、40だから~♪」と楽しそうに歌っていました(笑)。

昌己さんは、そのサビをどう歌うのだろうか?

楽しみに聴いていたら、当然のように原曲のまま「伊代まだ、16だから~♪」と堂々と歌っていましたよ(笑)!

江口さんから「そこは、16はないでしょ!」と後から、突っ込まれていましたが、「私は、楽曲を忠実に歌いました!」と気持ちよく言い切っていたので思わず笑ってしまいましたよ!

井手麻理子さんも昌己さんと血液型が同じB型ですが反応が違いましたね。

この『センチメンタル・ジャーニー』という楽曲は、アーティストによって、その歌い方が比較できるので凄く楽しかったです。何か、新鮮な感じがしました(笑)!

(追記:2016/11/28 12:24)

上記、井手麻理子さんの懐メロですが、当該ブログ(http://stylish-life.tokyo/2016/06/13/hideichi-20160612/を確認したところ、『センチメンタル・ジャーニー』でなく、中森明菜さんの『少女A』の『いわゆる普通の17歳だわ♪』という部分を『いわゆる普通の40歳だわ♪』でした。う~ん。全然ちがいました。記憶力がすこぶる悪くて済みません!追記で訂正します。

余談ですが、ギターで参加してくれた江口さんが当時、田原俊彦さんのライブでサポートギターとして参加していたとき、アイドルとしてデビューしていた松本伊代さんがそのライブを見に来ていたそうです。

その時に江口さんのギターがとても素敵でカッコイイと絶賛してくれたようです。

その昔話を当の江口さんが、とても嬉しそうに語っていたのが印象的でしたね(笑)。

 

他にも今回のライブはトークで、かなり面白い話が聞けましたよ。

例えば、昌己さんは11月から全国FMラジオJFN各局で「Keis BAR」という番組のレギュラーを持っているそうですが、そのゲストに「内田裕也」さんが出演した際に他のスタッフが大御所に気を使ってビビる中、昌己さんは、ごく普通に大御所に接していたそうです。

そんな昌己さんを、内田裕也さんが「君は、素人っぽくて良いよ!」とホメてくれたそうです。

ちょっとスリリングな感じがしますが、昌己さんの物怖じしない態度に裕也さんは、かえって好感を持ったようですね。

その際、内田裕也さんが「シェケナベイベー(Shake it up baby)」と言ったのでしょうかね(笑)?

このラジオ番組に非常に興味が湧いてきましたよ。

毎週火曜日のAM1:30分からオンエアされ、毎回、大御所のゲストが来るそうなのでいろんな話題が聴けそうですね。

 

あと、「ももクロ(ももいろクローバーZ)」と一緒に仕事をした話も盛り上がりましたね。

昌己さん曰く、「彼女達は、若いのに凄く気が利く」と絶賛していました。

例えば、昌己さんがその番組でソファーに座っている時に衣装が汚れないか、気遣ってくれたり、ソファーから立ち上がる時にも手を取って支えてくれたりと...

でも、ちょっと待ってよ!

それって、単に「お年寄り」の扱いと似てませんか(笑)!

一瞬、会場もそんな雰囲気になり、笑いが漏れましたが、昌己さんは「それでも凄く気が利いて感じの良い子達」だと感心していましたね。

かねてより、多方面で「ももクロ」の良い評判を聞くことが多いので、それは本当のことだと思います。

 

今回は、楽しいトークもあり、しっかりと楽曲も聴けて本当に満足できましたよ。

アーティスト「井上昌己」の最大の強みは、信頼できるメンバーと最高のファンが彼女を支えていることでしょうね。

今年最後のマンスリーライブ!本当に来て良かった!

素晴らしいライブに感謝します。

とても明るく楽しいライブでしたが、不思議と文学にすべてを捧げた「林芙美子」とオーバーラップして、無意識に過去と現代のアーティストを比較してしまいます。

何故でしょうかね?

もしかすると、アーティスト「井上昌己」の楽曲や人柄に「林芙美子」の世界を感じていたのかもしれませんね(笑)。

最後に『Girl POP の最高峰』 井上昌己さんに今年一年間の感謝の想いと、『女流文学の最高峰』林芙美子さんへのオマージュとして「花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき」の原文とされている詩をご紹介します。

この短詩は本来、『赤毛のアン』の翻訳者である村岡花子さんに贈られた詩の一節とされています。

そして、この短詩の本当の意味がその全文から知ることができますよ。

 

林芙美子

– 原文 –

風も吹くなり
雲も光るなり
生きてゐる幸福は
波間の鴎のごとく
漂渺とただよい
 
生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私も知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり

– 以下、自分の拙い現代口語訳ですみません。

良い風も吹いてくる
雲だって輝くこともあります
生きて行くことの幸福(しあわせ)とは
波の間に漂うカモメみたいに
ふわふわと危く浮かんでいるように感じるの

こんな時代に生きていることの幸福(しあわせ)の意味なんて
あなたも、よくわかっているし
私だって、よくわかっているわ
人が美しく輝ける歳月は、花が咲くように短いけれど
人生は辛くて苦しいことの方が多いけれど
それでも、良い風も吹いてくるし
雲だって輝くこともありますよ(だから私は人を愛します)

ソース元:http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000052572

井上昌己-20161127

素晴らしいライブに感謝します。