対価とは、他人に財産・労力などを提供した報酬として受け取る財産上の利益。
代償とは、他人に与えた損害に対して、金品や労力でつぐないをすること。

ぜひ、聞いて頂き、一緒に考えてもらいたい事件がありました。

(事件の経緯)
あるクリーニング店にズボンのリフォーム(修繕)と洗濯をお願いしました。
そのクリーニング店は、利用する際に、会員登録をさせているお店です。

クリーニングやリフォーム(修繕)の用途に合わせた料金表の一覧、その店ならではのサービスの優位性を説明する特典の資料と一緒に会員申込書には、利用資格として、『電話・携帯・メール等で双方向の連絡が取れる方』との記述が明記されていました。それを理解し、自分はそのクリーニング店の会員となり、クリーニングやリフォームを利用していました。

当然、リフォームの仕上がりを連絡して頂くこともありました。

今回も同様にズボンのリフォームを依頼し、店側からは出来上がり次第、会員登録してある連絡先(自分のスマホ)に連絡をもらうことになっていました。

ところが、2週間位しても店側から連絡が来ない為、こちらからクリーニング店へ連絡を入れると、その店の担当者からは、『一週間前にズボンが仕上がり、その日に連絡し、留守電にも、その内容を登録しました!』との説明を受けたのですが、こちらの連絡先(スマホ)には、店側から連絡を入れたと説明のあった日時には、一件も着信履歴はなく、当然留守電なども存在しない状態。

すぐにクリーニング店に行き、スマホの着信履歴を直接、提示して、こちらには着信履歴も無く、留守番電話なども無い旨を説明。

自分の連絡先の電話番号は、会員登録しているので、その店から渡される自分の受渡証(引換券)にも印刷されています。再度、この受渡証に表示されている連絡先に電話したのか?間違えないのか?とその店員に確認したところ、『間違えは無い』と主張するだけ。

ここで、疑問が浮かぶ

電話番号を間違わずに、その電話番号がコールされ、留守番電話につながり、伝言を伝えたのならば、必ず自分のスマホの着信履歴と留守番電話に伝言が記録として残るはず。

その着信履歴や伝言が無いのならば、違う電話番号に連絡した以外に考えられないのでは?

人の手で電話番号を入力するのであるならば、当然、間違いはあると思うし、そういうことは、問題にする気はなかったのですが、そのような間違いの可能性を疑いもせず、確認もせず、自分は連絡したと主張する店員と、自分の意見は、並行線を辿るだけ...

時間の無駄と思い、取り急ぎ、リフォーム依頼をしたズボンを受取ることにした。

そこでまた、問題が...

受取る時に『リフォームの仕上がりを確認してください』と言われたので、確認すると若干、リフォーム(修繕)対象のベルトのループ部分が他のベルトのループに比べて、弱くリフォームされていたので、その店員と改めて他の部分と見比べて仕上がりが良くないことを確認してもらい、再度、クリーニング工場にリフォームのやり直しを依頼することに。

その時にも、店側の対応がいかにも面倒な感じでした。

自ら客に確認を指示し、その通り確認をして、問題ありと判断したことが面倒であるなら、仕上がりの確認など、しなければいいのでは?

そこで、『対価と代償』について考えたい。

自分はそのクリーニング店のサービスと利用資格を理解して会員となり、ズボンのリフォームとクリーニングを依頼しました。当然、店側のサービスに対して、自分は、お金を支払います。

また、店側は『責任を持って、依頼を受けたサービスを履行し、仕上がりの連絡を会員である客に行うべき』だと思っています。

上記の利用資格を書面で明記するのであれば、連絡のつながらない客に対して、再度確認の連絡をするべきなのでは、ないでしょうか?

自分で納得できない部分が多かったので、そのクリーニング店の運営するWebサイトに直接この件について、この疑問を問い合わせをしました。

そのクリーニング店の営業担当者から以下のような返信がありました。

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拝啓

平素はxxxxx店をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
私は営業担当のXXXXと申します。
この度はお客様にはご迷惑をお掛けしまい申し訳ございません。

お品物に起きましては、弊社が委託しております、リフォーム店に確認させていただき、
再度リフォームをさせていただきます。

お客様へのご連絡が不足していたことに起きまして、店舗スタッフに指導させていただきました。
今後この様なことの無いように努めさせていただきます。

また、発信履歴に起きましては現在確認をさせていただいております。
弊社でのお客様の電話番号の登録間違いの可能性もありますので、
念のため電話番号を再度お教えいただけますでしょうか。

弊社と致しましては、お客様によりご満足いただけるサービスづくりに努めてまいります。
今後とも弊社のクリーニングを宜しくお願い申し上げます。

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この返信を受けて再度、自分のスマホの電話番号を明記して返信し、店側の調査結果を待っていました。
5日後に店から自分のスマホにズボンの再仕上がりの連絡があり、ズボンを受け取に行くと、前回の担当者と違う店員の方が、何も無かったかのように、仕上がったズボンを事務的に渡してきたので、一言いわせていただくことに。

自分>『御社の営業担当のXXXXさんから、何か指導はありましたか?』

店員>『?』(自分が言っていることが理解できていない様子)

そこで、自分がこの件を説明し、営業担当のXXXXさんから、店側の連絡不足について、店舗スタッフに指導した旨をメールで受け取っていることを説明。

そこで初めて、理解したらしいのですが、ただ『聞いています』と言うだけ。

そこで、自分は言わせていただきましたよ。

『まず、この件を営業担当から聞いて、指導を受け、当事者のお客が品物を受取に来た時に、何か、一言あってもいいのでは?』

つまり、営業担当から連絡不足の指導を受けたのに、その当事者が来店していることも知っているのに、何故、何も言わず事務的に品物を渡して、帰してしまうのかと...

自分は、以下のような言葉を言っていただけると期待していましたよ。
『営業担当のXXXXから、お話を伺っております。連絡不足については、指導を受けております。』と...

自分達は、当事者ではないので、関係がないのでしょうか?

それは、違うと思いますよ。

そのお店の看板の下で、そのお店のスタッフとして働いていて、今回の件について、指導を受け、その当事者が来店していることにも気がついているのであれば、何か一言、頂きたかったです...

そのことを伝えると、ことの重大さに気がついたのか、店員の方(2名)は、申し訳ないという態度になりましたが、発信履歴の件については、まだ調査結果を頂いていないので、営業担当のXXXXさんに結果を知らせて欲しいとお願いしてその店を去りました。

(調査結果について)
その店を出て、帰宅してからすぐに、営業担当のXXXXさんからスマホに連絡がありました。
『発信履歴の調査は、どうでしたか?』と聞くと、申し訳なさそうに『実は、お客様の電話番号の最後の一桁を店舗スタッフが間違えて連絡していました』と...

やはり、そうでしたか...

(問題提起と改善要求)
考えれば、直ぐにわかるはずですが、こんなに時間と手間をかけて調査する前に、一つ考えてもらいたいです。自分達の仕事のやり方、マニュアル通りの仕事の仕方に問題は、無かったのかと?

最初の態度で感じたのが、『自分は、絶対に間違っていない』とする店員の方の姿勢は、とても危い気がしました。そこには、プライドだけがあり、仕事を裏付けする根拠が少なすぎる気がします。
そう、間違えは、誰でもありますよ...
人間であるならば、失敗の無い人はいませんよ...

その店員の方が、この調査結果を知らされて、どう感じ、今後にどう働いて行くかが、大切だと思います。

最後に営業担当のXXXXさんにこう言って、電話を切りました。

『自分が、御社に支払った金額は、数百円ですが、そんなお客さんが大勢いるから、御社のクリーニング店が運営できるのですよ!そして、あなた達のお給料は、その売上の中から頂いていることを、今一度、感じてください。自分は今回の件があっても、御社を利用させてもらいます。より良いサービスを期待します。』

ビジネスで成功する一番の方法は、
人からいくら取れるかをいつも考えるのではなく、
人にどれだけのことをしてあげられるかを考えることである。
by デール・カーネギー(米国の実業家、作家、ビジネスセミナー講師)

対価と代償について

対価と代償について『サービスとは何か?』