若い頃、近くの公園を通るとベンチに腰掛けて、いつまでも公園内の風景を眺めている人達を時折、見かけることがありました。

春、夏、秋、冬の季節もいろいろ
朝、昼、夕、夜の時間帯もいろいろ
老若男女問わず、高齢のご夫婦であったり、スーツ姿のサラリーマン、学生や自分と同世代の若者であったりと...

自分は、そんな人達を見るだび、「?」状態に...

理解できずに、そのまま素通りしてバイトや遊びに出かけてましたよ。

その頃の自分には、美しい自然の風景や、それ楽しんで鑑賞できる風流な気持ちなんて、持ち合わせていなかったのでしょうね。それよりも友達と楽しく遊ぶことや好きな女の子を想ったり、趣味に没頭する時間を追い求めていました。

でも、今の自分は、その方々の気持ちが理解できるような気がします。

花鳥風月

花鳥風月を考えてる

その時々のもっとも美しく輝く瞬間を大切にしていたのかと...
Nothing Gold Can Stay いつまでも黄金のままではいられないから...

Nothing Gold Can Stay

いつまでも黄金のままではいられないから...

昔、映画監督のフランシス・フォード・コッポラという人の作品に「The Outsiders(邦題:アウトサイダー)」という映画がありました。

その映画の中で、ある事件を起こした少年二人が古い教会を隠れ家として逃げ込み、そこで迎えた美しい朝焼けの光景に、一人の少年がこの美しさが続つづかないことを残念がるシーンがあり、もう一人の少年がアメリカの詩人フロストの詩を聞かせるシーンがあります。

こんな内容の詩です。

Nothing Gold Can Stay

Nature’s first green is gold,
Her hardest hue to hold.
Her early leaf’s a flower;
But only so an hour.
Then leaf subsides to leaf.
So Eden sank to grief,
So dawn goes down to day.
Nothing gold can stay.

黄金のままでいられるものはない   

萌えいずる緑は黄金
うつろい易き色よ
萌えいずる葉は花
それも一瞬
やがて葉は葉に戻り  
エデンは悲しみに沈み
暁は昼に変わる
黄金のままではいられない  

(by Robert Lee Frost/ロバート・リー・フロスト/詩人)

でも「アウトサイダー」という映画には、終盤にこのような展開があります。

隠れ家の教会を少年達が外出している間に、その教会に幼い子供達が遊びにきて、彼らの火の不始末から教会が火事になってしまう。
少年二人は、取り残された子供達を助けるため、制止を振り切って、燃える教会へ。
他の仲間の協力もあって、子供達は無事に全員救出されたが、少年の一人が瀕死の重傷を負う。

その少年は、いままでの自分の環境に絶望を感じて自殺したいと思っていたが、今は「死にたくない」と、もう一人の少年に語る。そして、最後に以下の言葉で息を引き取る。

あの時の美しい朝焼けの光景を求めるその心が黄金なんだ!
その気持ちをずっと持ち続けてくれ!
Stay Gold!

確かに、フロストが言うように「Nothing Gold Can Stay(黄金のままでいられるものはない)」かもしれない。

でも、「花鳥風月(美しい自然の風景や、それ楽しんで鑑賞できる風流な気持ち)」を持ち続けることが...

Stay Goldだと思いたい...

Stay Goldだと思いたい...

Stay Goldだと思いたい...